下突きの打ち方
似たようなのでボクシングのボディアッパーとも言えるけど…
まあそんな打ち方。
私はこうしてる、というだけでよそ様の事は知らんので。
大前提で、「腕を振らない」。
動きは全て膝を使って作り、当てるための制御は腰の旋回で行う。
腕を振った時点で、腕だけの質量をぶつけるだけになってしまう…
体当たりみたいに体重全部乗っけて、打点を打つから威力が出るのよ。
膝をしっかり屈伸させ、体を持ち上げるタイミングで腰を切り、相手に当てる。
だから練習としては最初、スクワットをしながら脇を締めて拳を前に突き出す、という稽古をする。
慣れたら「体重を下に落とす感覚」を膝で受けてバネに変えると、沈み込まずに突きを打てる。
当てる方向も重要で、極めたい打点に真っ直ぐ当てるのが大事。
腹なら、引っ掛けるように表面を打つのではなくて、刺すように背骨に向かって真っすぐ打つ。
横隔膜なら、斜め下から引っ掛けるように背中に向けて。
顎の場合は、突き上げるように真っ直ぐ下から。
ちびどもにも教えてるように、これを使えると押してくる相手に細かく連続攻撃ができて、圧力に対抗できるようになる。
その間に立て直したり、受け流して反撃につなげたり、逆に相手を押しきってしまったりと、接近戦というものを選択肢に組み込めるようになる。
ただし…ルールが無い場合や違う場合は気をつけないと、対処される場合も多いから注意。
それと、ボクシングとはやはり決定的に違うと思うのは、「頭を突き合わせた上で打ち合う」使い方はしないから。
ボクシングでのインファイトって、頭をくっつけて密着した状態での打ち合いだと思うから。
拳だけで戦うルールがある上での技術よねあれも。
10/23のおけいこ
今日は仕事帰りに道場に参加。
皆わちゃわちゃと小休憩してる中着替えてると、ちっちゃい子が何やら話しかけてくる。
楽しい場だと認識してくれてるなら、これ以上の事は無いね。
さて、ろくに体も温めずにだけど、ミット持って指導。
体験なのかな?親子で参加されてる方が居て、自然とそちらを中心に手ほどきをする事になった。
何をするのかが分かってないようで、「見よう見まねで今はいいよ~」と言ってゆっくり見せていく。
今できんでも良いのよ、そのうち覚えるから。
その為の昇級審査やし。
体験の女の子は思い切りが良くて、それなりに動けてる。
お母さんの方は…まず動きを理解しようとしてるね。
その違いが、できるかできないか、の違いだと思う…まあ、できたからと言って実際に使えるわけでは無いから、気にしなくて良いんだけどね。
防具つけたあとは、シャドウで動き方を学んでいくんだけど…無理やで、後藤先生
(((^^;;
初めてでやるにゃとっつきつら過ぎる。
ワンツー、アッパー、とどめのストレート…まず構えからの手ほどきとなった。
リードブロウからまずできない…と思ってたら、女の子は何だかできてるw
んー…思い切りの良さと、「見たままをコピー」してるな?
こういう素直さは非常に有利よね。
お母さんの方は、私に何度もやり方を見せてもらったり、コツを聞いたりしている。
これもやり方のひとつよね。
蹴りは横蹴り…思い切りはしょって、コツだけ教えんと間に合わんw
お母さんは私のコツを聞きながら、女の子は私の動きを見ながら…それなりにはなったか?
途中しばらく通ってる男の子が寄ってきたので、ついでに教える。
うん、教えるならできるようになってからな?^^;
でも、こういう気安さって大事だとは思う。
最後はフリーのミット打ち。
印象に残った子を書いていくと…
Yは蹴りの間合いは得意やね。攻撃がよく伸びて自分の間合いを作れてる。
でも、半歩中に入られるともう攻撃ができなくなって圧力に負ける
答えを教えるのも良くないんだけど、下突きと膝蹴りを示唆すると納得してた。
そ、もう答えは渡してあるのよ。
後は気づくだけやね。
TちゃんとSちゃんには、ローキックや密着しての打撃を手ほどきする。
打つ角度、部位、足を振るタイミング、工夫してより強く蹴れると武器に成り得るよ。
まぁ…相手のパンチには気をつけてね^^;
これを何とかするためのもの、という認識は必要やね。
K。
掴んで打つのは馴染んだのかもしれんが、それは体格差あるときしか使えんぞ?
自分が小さいか、相手が小さいか。
なので、意味は変わるが腕を伸ばすのをやってもらう。
これ、単に腕の曲げ伸ばしの違いだけど、意味は全く変わる。
相手を押して…技の発動できる空間を作り、攻撃していく…だけでなくて。
相手の重心を崩す、という理解にもつながる。
これができて、初めて相手をコントロールする事が選択肢に入る。
これができると、相手が攻撃に当たりに来てくれる、という感じになる。
と、まあ時間内はこんな感じ。
居残りや、細かいことはまた別に書くかな。
皆色々言うけど…
飛んでる蚊を掴む。
紐のついた弾を投げつける。
引絞った弓を放つ。
引く事だけを意識する。
…ほんの少しだけど、突きを打つ例えとして挙げられる言葉。
まあね、どれもやれてみると「あー、そーよな」ともなるけど…実は微妙にはずれた言葉だったりもする。
何ではずれてるのかというと…
「動作の一部分に焦点を当ててるから」
その人が大事だと思う事を言葉にしたんやね。
だから、他の事は当人にとっては「できて当たり前」な事だったりして…
分からんものからしたら、「何言ってんだコイツ」となったりもする。
まあ解説するなら、
飛んでる蚊(狙う打点)に対して握り込むことで、直前までの無駄な力みを抜き、軌道を最短距離にする、という感じになる。
ちなみに短所としては、打ち方「のみ」教えてることやな。
紐のついた弾(腕の構造のモデル化)を投げつける(腰からのバネを活かして)。
イメージを描いて打ち方を教えてるんやね…
下半身からの力の伝え方については後回しにされてるから、苦労すると思うが。
引絞った弓(背筋)を放つ…一番端的だなあ…
打ち出したあとの意識を消して、相手に悟らせないようにしてる実践的な言葉なんだろうけど…
体の中でバネを作れることが前提だものな、これ。
まあ、トリガーは確かに打つ手と反対側の背中の筋肉よ、それまでに体のバネを溜めとくのがこの言葉を選ばせたんやろな。
(打つ事を意識から消して、拳を)引く事だけ意識する…
これなんて、打ち方やなくて心構えというか当て方のコツやな。
打てるの前提やん(笑)
()の中を想像できると、無駄な力みが抜けるやろうけどね。
どれもこれも、言葉が足りんし、それぞれ焦点が違ってるから、聞く方も混乱するんやろな。
群盲象を撫でる、やな。
どれもホントのこと言ってるけど、どれも核心には触れてない。
個人的には、どれも参考にして…自分に合うものを、その時々に応じてやればいいと思うよ。
変わらないことなんて有り得ん…自分の動きについても。
だから、「今の自分」に当てはまれば、それでいいのよ。
そして、それを確かめるには、稽古するしかないんだな。
その辺が、稽古の質、というものやなかろうか。
10/9のおけいこ
足を痛めたTさん。
後藤先生に治療してもらい、できる事をやってみることに。
今日は稽古法に重点置いて、足の動かし方や振り方、腕の振り方と体のバネの作り方を試してもらう。
準備体操代わりだけど、理屈を知る事もできるから勧めてみた。
足が思ったより精密に動かん事に驚いてたな…というより、足を思うように動かそうという考えがそもそも無かったんだろうな。
色々できる事増えるから、やれるようになった方が楽しいよ。
壁立て伏せもやってみた。
これをやる意味は、パンチに使う筋肉を意識できる事。
体のどの部分に負荷がかかると突きができるのか、という事で理解できるんやね。
そして拳の握り方が甘いのも理解できるわな。
床で拳立てやると、慣れん人は負荷強すぎて痛めちゃうから、このくらいで始めるといい。
ミット打ちでの覚え書きは…
ローキックを私には出しても良いことにしてるので、蹴りたい子はバンバン蹴ってくるのだけれど。
ミットあるからか、下腿…膝下しか蹴ってこない。
攻撃を散らして混乱させるのは良いけど、攻撃自体に威力は無いから…タイミングによっては押し負ける原因ともなる。
蹴った直後の浮いた足の時を狙われたり、重心が後ろになった時を狙われたり。
カーフキックなんて流行ってるけど、狙う場所と、体重がその足に乗ってるというタイミング次第のものだから…
蹴り方よりも、当てる状況を作るのを意識したほうがいいと思う。
わざわざ不利になる状況で、片足にならんでもいいと思うし。
キックとかは足主体やん?とは言うけど…
近くても遠くてもどの距離でも蹴れて、相手の重心を蹴り崩してるからこそ足でやれるのよ。
被弾上等で前に突き進んでくる相手には、それなりのやり方が要るのよ。
久々のKを見たけど、その辺りと突きの甘さが目立った。
突きは全般に言えるんだけどね…皆が思うより効果範囲は狭く、きちんと腕伸ばさんと当てることもできんのよ。
時間が無い、とMが言うので…
相手への攻め込み方だけやってみた。
触った場所から中へ中へと入って叩いていく…守れば守るほど、付け込まれる。
というのをやってみたら、混乱するM。
以前もやったんだけどなー。
いくつかのやり方を試してもらい、かけてもらうが…どうにもこういったテクニカルなものには相性悪いな、この子。
まあ、知りたいと言うし、必要だろうとも思うから…がんばれ。
他の子らにも同じ事をやっていくが、Kにはちとキツめにフェイントをかけて…きちんと引っかかるのを自覚してもらう。
突きだけやなくて、追い足なんだけどな大事なのは。
時間たってるから抜けてるのが多いけど、そんな感じ。
今週は道場おやすみ。
おけいこ。
Tさんと休みにおけいこ。
短棒を持たせて、扱い方の手ほどき。
小指を使って握り、他は当てる時だけ握るのよ。
理由は、得物が自在に動くように。
握りしめた得物は、単純な動きしかできないからね。
頭を頂点として、傾斜をつけて受け流すのを覚えてもらい…巻き打ちで打ち込み、突いて触れた所を回転して逃げながら引き切る。
まずはこんなものかね?
約束してた、ローキックの受け方も手ほどきする。
分からんのにローキックありで組手ゴッコしてきて、ケガだらけになってりゃ世話ないやな(ーー;)
私がよくやるのはサッカーのインステップキックみたいな、足裏で蹴り足を止めるの。
波返しの応用やね。
あるいは時代遅れかもしれんけど、相手のスネにスネをぶつけたり、
膝下の力を抜いて蹴りを受け流したり。
膝を立てて、相手の蹴り足を作動しなくさせるのもあるけど…これよりは、
腕と下腿を繋げて、広範囲をカバーできるもののほうが獅道会としては合ってるかな。
ケガした理由を説明すると、納得いかん様子。
ま、しゃあないやな…私からすると当然の結果なんやけどな…
蹴り足につま先を向けない…足を突き指したらほぼ戦闘能力なくなるで。
上から踏みつけない…動作が遅れる。
持ち上げる動作が早くても、間に合わないとこうなるよ、と。
相手がいて、都合に合わせてくれるわけやないのを忘れちゃいけない。
まあ、敢えてこの動きすることはあるけど、前提としてはこれらの動きはしないやね。
あとは、型の解説をしてみた。
廻し受けを動画で見たようで、意識するようになったみたいね。
ならば、と流派による「同じ理屈」での動作の違い…を比較してもらう。
那覇手の廻し受け。
巻き込んで攻撃を払ったり、投げ飛ばしたり突き倒したり、と使い方は結構あるけど…動作はほぼ同じというよく練られたものよね。
距離を潰して密着しての攻防というのは、やはり流派としてのセオリーなのかな。
那覇手の型にはほぼ使われてるが、別伝みたいな型には無いから、ここでは重要視したんやろね。
上下段払い。
首里手に組み込まれてるけど、元は違うと聞いてる。(泊のほう?)
打払うのはすぐ思いつくけど、横に入ってすくい上げれば肘を極める関節技になる。
攻撃へのカウンターとしても使えるけど、裏拳で打つのを教えんからねえ…
痕跡みたいに型にはぽつぽつ残ってるけど、最初の師匠は使い方をうまく説明できなかったな。
抜塞(ばっさい)の廻し受け。
呼び名を知らん…開手で2度払い除ける動作だけど、首里の代表と言ってもいいんやなかろうか。
でも、これやるのは抜塞くらいだから、伝えた名人固有の技なのかもしれん。
正面から呑み込む動作が特徴的よね。
勇ましい破壊的な名前の型なのに、技としては動きを制する事を主眼に置く柔法なのは面白い。
もちろん打払うのも可能だし、動けないようにして打撃など、えげつないやり方に応用するのも簡単。
技なんて使えればいいのだし…どれ使おうがいいのよ。
その裏にある、理屈を理解するのが大事よね…合ってるかどうかは検証しつつ。
それの繰り返しよね。
とりあえず、今度説明する、と言ってた分はできたかなー?
慣れん人にとっては、型の想定が一方向からやないのが全く理解できんみたいやね。
同じ動きでも、見る方向を変えてみると意味が全く変わるというのがよくある。
それを紐解くのも、パズルめいた楽しみだと思うのだけれどね。
他人に教えるには、分解して抜粋したものを伝えたりもするのだけど…
理解できても使えん、というのは「自分で見つける」という行動を省くからなのかもしれんねえ…
ちびども…RやYは自分なりに教えたものを取り込んでて、驚く事があるけど。
役立つなら何よりやな。